研究概要 |
近年,大量の映像を電子的に蓄積・処理する環境が整ったため,研究代表者らは過去8年間の特定ニュース映像をはじめ, 放送映像を大量に蓄積してきた. 本研究では, それらの映像に対し, 課題1)大量の映像から任意のほぼ同一な映像区間を高速に検出する手法,課題2)映像アーカイブの意味構造を解析する手法の開発を目指してきた. 本年度はまず課題1)に対し, 過年度までに開発した準同一映像検出プログラムを整理・修正し, 一般公開するとともに, 本研究領域で開発している並列計算プラットフォームIntrigger上で動作させることで, 処理の大幅な高速化を実現した. また, 他の研究課題と連携して他の応用方法を模索した. 次に課題2)に対し, 過年度までに実装したニュース映像の時系列意味構造解析及びその構造に基づく閲覧インタフェースmediaWalkerを改良し, 検索機能を付与した. また, ニュースストーリ・トピックに正規化されたキーワードを付与するために, Wikipedia項目との関連づけ方法を検討した. 一方, 一般の放送映像の意味構造解析にも取り組んだ. 具体的には1週間にわたる地上波6局の全映像(1,008時間)に対し, 課題1)で実現した準同一映像区間検出手法を適用し, 出現パターンにより準同一映像の使われ方を自動分類した. なお, ニュース映像の構造化・閲覧インタフェースについては, 成果を学術雑誌に論文として公表した.
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