研究課題/領域番号 |
19024051
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 健一 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (60252722)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2008年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | λコンピューティング環境 / 共有メモリアーキテクチャ / 分散並列計算 |
研究概要 |
グリッド環境においては、分散した計算機間でのデータ転送やメモリ転送は一般的にTCP/IPを利用して転送されるため、パケット生成やパケット損失によるオーバヘッドが大きく、結果として計算機内のバスアクセス速度に比べ、非常に低速なアクセス速度しか提供できない。そこで、光ファイバなどで構成されたグリッド環境において、ある接続されたグループ間で光ネットワークの波長パスを利用し、高速なアクセスを可能とするλコンピューティング環境を提案している。 本研究では、λコンピューティング環境において、高速な大規模計算を行うための新たな光共有メモリ構成手法を提案する。本年度は、昨年度の成果を踏まえ、1.プロトタイプシステムの構築と実アプリケーションによる評価、2.共有メモリアーキテクチャのモデル化による定量評価、の2つの課題に取り組んだ。 1. では、NITフォトニクス研究所が開発している情報共有システム(AWG-STARシステム)を用いてλコンピューティング環境のプロトタイプを構築し、共有メモリ型プログラミング環境OpenMPを実装した。さらに、その上でマンデルブロー集合計算を実行し、性能を評価した。その結果、並列化の効果は得られるものの、AWG-STARの共有メモリボードとCPU間のデータ転送能力が低いため、十分な計算性能が得られないことがわかった。 2. では、実装環境に依存した性能評価ではネットワーク特性やキャッシュプロトコルの違いによる性能への影響を明らかにすることができないため、単一波長を用いてアクセスを行う共有メモリアーキテクチャならびにその制御手法をモデル化することにより、定量的な評価を行った。その結果、リング長や計算ノード数が性能に与える影響を定量的に明らかにした。特にキャッシュー貫性制御が性能に影響を与え、共有するデータの割合が小さい場合には影響はかなり小さくなることがわかった。
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