研究概要 |
電界印加下の密度汎関数基底状態計算(B.Meyer et al,Phys.Rev.B 63(2001)205426)を用いて電界誘起面平均電荷密度を求め、ガウス則より局所内部電界を評価し、電束密度連続の式より局所誘電率を計算する定式化とプログラム開発を行った。 SiO_2超薄膜と理想的なSiO_2/Si(001)界面に適用し(S. Wakui et al.,in submission to J.Vac.Sci.Tech.B)、電子分極による光学誘電率、電子分極と格子分極の双方による静的誘電率の評価を行った。光学誘電率、静的誘電率共に、表面、界面近傍で急峻に変化することを見出した。さらに、SiO_2超薄膜と理想的なSiO_2/Si(001)界面に酸素空孔を導入し、欠陥が局所誘電率に与える影響を調べた。酸素空孔近傍で光学誘電率、静的誘電率双方に増大が見られた。光学誘電率増強は、酸素空孔に起因するSiタッグリングボンド準位がSiエネルギーギャップ中に現れることにより、電子分極が増大することによる。SiO_2超薄膜での静的誘電率増強には、酸素空孔によるSi原子層間隔の減少にも起因する。さらに、SiO_2超薄膜内のHf原子のSi原子置換により、静的誘電率が局所的に異常に大きく増大する現象を見出した(S.Wakui et al.,in submission to Appl.Phys.Lett.)。
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