研究課題/領域番号 |
19027020
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
磯辺 清 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70101285)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2007年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 外部刺激応答錯体 / 結晶相反応 / 温度可変固体^2H NMR測定 / ジチオナイト錯体 / 有機金属錯体 / 絶対不斉光異性化反応 |
研究概要 |
結晶は、膨大な数の分子が三次元に規則正しく自己集積したもので、それが外部からの刺激に対して可逆に応答できることは、次世代記録媒体開発の出発点となる。最近、我々の研究グループでは、分子内に2つのCp*配位子(η^5-C_5Me_5)と光応答機能の担い手となるジチオナイト配位子(μ-O_2SSO_2)を有するロジウム二核錯体[(Cp*Rh)_2(μ-CH_2)_2(μ-0_2SSO_2)](1)が、結晶相で光応答を示すことを見出した(μ-O_2SSO_2〓μ-O_2SOSO)。 平成19年度には、錯体1の結晶中のCp*配位子の運動を詳しく調べるために、Cp*配位子の水素原子を全て重水素化したCp*^<d15>配位子(η^5-C_5(CD_3)_5)を有する錯体[(Cp*^<d15>Rh)_2(μ-CH_2)_2(μ-O_2SSO_2)](1-d_<30>)を合成した。錯体1-d_30の温度可変固体2H NMR測定とスペクトルの波形解析によって、反応空間を形成する配位子の運動に関する詳細な検討を行った。その結果、(1)Cp*配位子の運動モードは、「配位子のC_5軸に沿った回転運動」であること、(2)結晶中で非等価な環境にある1分子中の2つのCp*配位子の回転運動の活性化エネルギーは、33±3と7.8±1kJ/molであることが分かった。さらにCp*環の化学修飾に成功し、種々の新規ジチオナイト錯体の合成に成功している。これら新規ジチオナイト錯体の単結晶フォトクロミズムについて系統的に検討し、温度可変固体2H-NMRの測定によって、結晶中での光応答空間の動的挙動を詳細に明らかにすることができた。興味あることに、n^-プロピル置換基を導入した錯体を用いると、不斉結晶化を利用した絶対不斉光異性化反応が進行することを見出した。本年度得られた成果は、日本化学会第88春季年会を含めた学会、討論会で発表した(国際会議3件、国内8件)。また、2報の学術論文発表と1件の特許出願を行った。
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