研究課題/領域番号 |
19027031
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大村 智通 京都大学, 工学研究科, 助教 (00378803)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 合成化学 / 結合活性化 / 遷移金属触媒 / 結合形成 / 元素間結合 / 有機ケイ素化合物 / シロール |
研究概要 |
遷移金属錯体による元素間結合の活性化をきっかけとして、複数の結合活性化が連続的に起こる"ドミノ結合活性化"に基づいた新規触媒反応開発を目的として研究を行った。まず、ケイ素上にヘテロ官能基を有するシリルボランの設計・合成を検討した。ケイ素上にクロロ基を有するシリルボランに対し、求核置換反応により様々なヘテロ官能基の導入を検討したところ、フルオロ基、アルコキシ基、およびジアルキルアミノ基をケイ素上に有するシリルボランを新たに合成することに成功した。次にこれらのシリルボランをパラジウム触媒存在下2分子の末端アルキンとの[2+2+1]型環化付加反応に適用し、ドミノ結合活性化の効率を検討した。その結果、ケイ素上にジエチルアミノ基やピロリジノ基を有するシリルボランでは目的生成物であるシロールが収率よく生成したのに対し、フルオロ基やアルコキシ基を有するものではシロールは全く生成せず、ホウ素-ケイ素結合の炭素-炭素三重結合への付加のみが進行したことから、ケイ素上にジアルキルアミノ基を配したシリルボランがドミノ結合活性化に最も有効な構造であることが明らかとなった。最適化した反応条件を用いて脂肪族および芳香族末端アルキンとの反応を検討したところ、置換基の立体的・電子的影響を強く受けることなく、対応する2,4-二置換シロールを収率よく合成することができた。反応機構に関する知見を得るために、アルキンの非存在下におけるシリルボランとパラジウム錯体の反応を検討した。その結果、シリルボランの分解反応が触媒的に進行し、アミノボランと複数のケイ素化合物を与えたことから、パラジウム錯体へのホウ素-ケイ素結合の酸化的付加に連続して、パラジウム-ホウ素、ケイ素-窒素結合の活性化が起こり、アミノボランの脱離と共にパラジウム-シリレン錯体が形成される反応経路が示唆された。
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