研究課題/領域番号 |
19027036
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真島 和志 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70159143)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 白金錯体 / クラスター / メタセシス反応 / 置換反応 / アミジネート / 8核錯体 |
研究概要 |
近年、多様な構造を持つ超分子の合成が盛んに行われており、その中でも遷移金属中心を有する超分子化合物の構築とその応用に関する研究は、金属中心とリンカーとなる有機物を多数の候補の中から選べるだけでなく、その構成比を変化させることにより多様な構造を作り出すことが出来ることから、近年活発に合成が行われている分野である。[Pt_4(μ-OC0CH_3)_8](1)はStephensonらによって1965年に初めて合成された遷移金属クラスターの1つであり、Ptの形式酸化数はII価、形式的に1つのPtに対して2つのアセテートが配位している錯体である。錯体1に着目した最大の理由は、Pt4平面内の架橋アセテートが選択的に過剰量のカルボン酸により置換することが知られているためである(Scheme1-1)。この性質を利用して、錯体1に対してジカルボン酸などの適当な有機分子をリンカーとして反応させることにより、超分子錯体が得られると考えられる。 錯体1に対して等モル量のα,ω-アルケニルカルボン酸を作用させることにより、一置換錯体が85-95%収率で得られた。末端二重結合を持つ白金四核錯体の選択的一置換体が得られたので、これらの錯体を用いたメタセシス反応による二分子連結反応を検討した。溶媒にはジクロロメタン、還流条件下、メタセシス反応の触媒として第一世代Grubbs触媒と第二世代Grubbs触媒を用いて対応する連結反応が進行した。次に、カルボキシレートよりも立体的効果による制御が容易なジアリルアミジネートを用いて、錯体1の置換反応を検討した。Pt原子に配位したN原子上に芳香環が直接結合しているため、隣接芳香環同士の立体反発効果が最大限に発揮され、その結果、錯体1に対して過剰量のジアリルフォルムアミジン誘導体を作用させることにより対応するトランスキャップ型錯体を66-87%収率で得た。これらの錯体を用いて、8核および12核、16核錯体の合成およびさらに高次構造体の合成を行っている。
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