研究課題/領域番号 |
19027039
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森内 敏之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60281119)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 核酸塩基 / 発光性錯体 / 空間制御 / 集積化 / 特異発光 |
研究概要 |
本研究では、生体分子の会合特性を基軸とする相乗系生物有機金属錯体システムの創成を目的とし、ポリグルタミン酸への発光性白金錯体の導入、および核酸塩基部位を有する発光性白金錯体の会合特性に基づく相乗系金属錯体システムの開発について研究を展開した。 ジドデシルジメチルアンモニウムニウム(DDA)塩との反応によりメタノールに可溶化させたポリグルタミン酸誘導体P(Glu)-DDAに、0.2当量のドデシル鎖を持たない白金錯体Pt-1または、アルキル鎖を有する白金錯体Pt-2の導入をメタノール中で行つた。いずれの白金錯体もP(Glu)の不斉環境に存在していることがCDスペクトルから示唆された。Pt-2を導入したP(Glu)-DDA-Pt-2の発光スペクトルにおいて、Pt-1を導入したP(Glu)-DDA-Pt-1ではほとんど見られなかった白金一白金相互作用に起因するMMLCT遷移に基づく相乗系発光が800nm付近に観測された。ポリグルタミン酸を土台分子とする白金錯体同士の相互作用に基づく相乗系発光錯体システムの開発が可能となった。 ウラシル誘導体と相補的な水素結合を形成しうる2,6-ジアミドピリジン部位を有する白金錯体Pt-3を合成した。また、白金錯体Pt-3を組織化させるために、ウラシル部位を2つ有する土台分子である尿素誘導体U-1を合成した。白金錯体Pt-3および白金錯体Pt-3-土台分子U-1(2:1)の塩化メチレン溶媒中での発光スペクトルにおいて、土台分子U-1存在下では、750nm付近のMMLCT遷移に由来すると考えられる発光が増大した。水素結合に基づく相補的な会合体を形成することにより、白金一白金相互作用が可能となり、相乗系発光が観測されたものと考えられる。核酸塩基の会合特性を利用した相乗系発光錯体システムの開発に関する基礎的知見を得た。
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