研究課題/領域番号 |
19027043
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 治 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (80270693)
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研究分担者 |
松田 亮太郎 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (00402959)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2007年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 金属錯体 / クラスター / 光応答 / 元素相乗 / 堕塾透 |
研究概要 |
原子価互変異性とはレドックス活性な配位子を有する遷移金属錯体で観測される現象で、中心金属と配位子間の電荷移動に基づいた酸化還元異性体間における相互変換のことである。これは、熱のや光などの外部刺激により誘起され、また異性化の前後で磁性や光学特性が劇的に変化するため、これを利用した分子スケールでの記録材料への応用が期待されている。本研究では、元素相乗効果の発現と将来の高密度記録材料への応用を目指し、室温ヒステリシスと光応答性を示す原子価互変異性複核錯体の開発を試み、新規コバルト錯体[{Co(dpqa)}_2(dhbq)]・(PF_6)_3を合成した。[{Co(dpqa)}_2(dpqa)}_2(dhbq)}]・(PF_6)_3の磁化率測定の結果、約170Kで原子価異性相転移を示すことが分かった。相転移に伴う電子状態の変化はCo^<III-LS>-dhbq^<3->-Co^<III-LS>→Co^<III-LS>-dhbq^<2->-Co^<II-HLS>と表せる。さらに、[{Co(dpqa)}_2(dhbq)]・(PF_6)_3の光応答性いついて検討した。吸収スペクトルの測定により金属-配位子間電荷移動バンドが550nm付近に存在することがわかっている。そこで、5Kにおいて波長532nmの単色光を照射した。その結果、x_M^T値の上昇が見られた。このことは、原子価異性(Co^<III-LS>-dhbq^<2->-Co^<II-HLS>→Co^<III-LS>-dhbq^<3->-Co^<III-LS>)が光により誘起されたことを示している。準安定状態(Co^<III-LS>-dhbq<3->-Co<III-LS>)は5Kで数時間以上の寿命を持っていた。また、準安定状態は約80K付近まで温度を上げると最安定状態Co^<III-LS>-dhbq<2->-Co^<II-HLS>に緩和することが分かった。また、この変化は繰り返し観測でき、可逆であった。同様な温度変化による原子価異性と光誘起原子価異性は[{Co(TPA)}_2(dhbq)]・(CLO_4)_3でも観測された。[{Co(TPA)}_2(dhbq)]・(CLO_4)_3の磁化率は約370K付近で変化し、この温度で原子価異性Co<III-LS>-dhbq^<3->-Co^<III-LS>→Co^<III-LS>-dhbq^<2->-Co^<II-HS>が誘起されていることが分かった。
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