研究課題/領域番号 |
19028039
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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研究分担者 |
雨夜 徹 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20397615)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 遷移金属 / π共役系分子 / パラジウム / ナノ粒子 / ポリアニリン / 酸化的カップリング / ポルフィリン / 光誘起電子移動 |
研究概要 |
触媒化学において遷移金属の担う役割は極めて重要である。一方、π共役系分子は、その高い電子(ホール)移動性から材料化学において基盤となる分子群である。この遷移金属とπ共役系分子が協奏的に融合すれば、新しい触媒システムの創製が期待できる。本研究では、金属ナノ粒子-π共役系高分子からなる集積化レドックスシステムおよび金属ナノ粒子-光活性π共役系分子からなる集積化環境調和型レドックスシステムの創製と応用を目指し研究に取り組んだ。 ポリアニリンーパラジウムナノ粒子の合成と触媒的応用を検討した。ポリアニリンのキノンジイミン部位がパラジウム(II)に配位した架橋錯体を還元することで対応するナノ粒子を合成した。この手法で得られたナノ粒子は個々の粒子が独立しており、粒子径が数ナノメートル程度に制御されることが明らかになった。このナノ粒子を用いて、酸素雰囲気下、2,6-ジ-t-ブチルフェノールの触媒的な酸化的カップリング反応を行ったところ、対応するカップリング体が高収率で生成した。また、ポリアニリン-酸化鉄ナノ粒子の簡便な合成法の開発およびその触媒的応用についても検討した。ポリアニリンとアセチルアセトン鉄(III)をDMF中で熱反応させることで粒径3〜9ナノメートルで分散したナノ粒子を合成できた。このナノ粒子も、上述の酸化的カップリング反応の触媒として有効であることを見出した。これらの知見は複合型触媒の新たな方向性を示唆するものと位置づけられると考えられる。 アニリンオリゴマー鎖を有するポルフィリンに、配位性のピリジル基が導入された光活性分子を新たに合成した。この分子に可視光を照射すると分子内光誘起電子移動が起こることが明らかになった。さらに、この分子を金ナノ粒子上への集積化し、新たな光レドックス活性システムを創製した。
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