研究課題/領域番号 |
19028041
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今中 信人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30192503)
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研究分担者 |
増井 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00304006)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 揮発性有機化合物 / エチレン / 完全酸化 / 酸化セリウム / 酸化ジルコニウム / 酸化ビスマス / 協奏機能触媒 / 接触分解触媒 |
研究概要 |
果物や野菜、生花などの農産物は、遺伝的にプログラムされた内的な刺激によって、自らエチレンを生成することが知られている。エチレンは植物の熟成ホルモンとして作用し、追熟促進、組織の軟化、緑色の退色などを引き起こすため、農産物は自らが排出したエチレンガスで腐敗を促進し、品質を著しく低下させる。このような腐敗の促進原因を除去し,野菜の鮮度を効果的に長期間保持できるようにするため,常温や冷蔵下でエチレンを酸化分解する新しい触媒の開発が望まれている. 本研究では,エチレンをはじめとする炭化水素類を、可能な限り低温で完全燃焼できる新しい酸化物触媒の開発を目的とし、CeO_2-ZrO_2-Bi_2O_3複合酸化物と貴金属であるPtを高比表面積のγ-A1_2O_3に担持させた試料を調製し、エチレン完全燃焼触媒としての評価を行った。 開発したPt/CeO_2-ZrO_2-Bi_2O_3/Al_2O_3触媒0.5gを用い、1%C2H_4-5%O_2-94%He混合ガスを100cm^3min^<-1>で流通させ、常温からエチレンの転化率をガスクロマトグラフで評価したところ、本触媒を用いた場合、エチレンの分解(完全酸化)率は65℃でl00%に達した。反応生成物を分析したところ、炭酸ガス(CO2)と水(H20)Qみであったことから、100℃以下におけるエチレンの完全燃焼分解を実現した。これに対し、CeO_2-ZrO_2-Bi_20_3複合酸化物助触媒を含まない、従来のPt/Al_2O_3触媒におけるエチレンの完全燃焼温度は145℃であった。 両触媒においてともに担体がγ-Al_2O_3であること、及びPtの担持率が等しいことを鑑みると、本研究で新たに取り入れたCeO_2-ZrO_2-Bi_2O_3複合酸化物助触媒の存在、すなわち高い貯蔵・放出活性の効果が、エチレン完全燃焼反応の触媒活性向上に著しく寄与することが明らかとなった.
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