研究課題/領域番号 |
19028046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
網井 秀樹 神戸大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00284084)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 有機化学 / 有機工業化学 / 有機合成化学 / 不斉触媒反応 / 不斉触媒配位子 |
研究概要 |
触媒的不斉合成は光学活性有用化合物の合成に非常に効果的なプロセスであるため、世界中で活発に研究が行なわれている。新しい不斉配位子の開発、新しい反応媒体の利用は大きな注目を浴びる研究領域である。特に、複数の相互作用を巧みに組み合わせた協奏機能触媒系は、一般的な触媒的分子変換反応において、その応用が大いに期待される。本研究では、分子内に水素結合部位を有する新しい触媒配位子の開発を目指した。 まず、ビス(トリフルオロメチル)カルビノール部位を有する新規ビナフチル配位子の合成に着手した。様々な合成ルートを検討した結果、光学活性BINOLを出発原料として用いるルートが有効であることがわかった。すなわち、BINOLの2つのフェノール性水酸基を別々に官能基変換し、エステル及びホスフィンオキシド部位を有するビナフチル化合物に誘導した。そのエステル部位に対し逐次的にトリフルオロメチル基を導入し、最後にボスフィンオキシド部位を還元することによって、目的の不斉ホスフィン配位子を得ることに成功した。 フッ素系アルコール部位及びリン原子を有する化合物において、水酸基の性質に関する興味深い知見を得た。^1HNMRの化学シフトにおいて、ビス(トリフルオロメチル)カルビノール部位を持つホスフィンオキシドの水酸基プロトンのシグナルはδ9.54(ppm)という低磁場領域に観測された。これは、化合物中の水酸基プロトンのホスフィンオキシド酸素原子への分子内水素結合が関与するものと考えられる。これらのリン化合物の水素結合を活かした合成化学的応用(有機分子触媒など)が期待される。
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