研究課題/領域番号 |
19028054
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
樋口 恒彦 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50173159)
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研究分担者 |
梅澤 直樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (40347422)
加藤 信樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (50400221)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 分子認識 / 協同効果 / ポルフィリン / 酸化 / 酵素モデル / 反応補助基 / カタラーゼ |
研究概要 |
本研究は、酸化反応を触媒する一定の機能を有するポルフィリンやサレン金属錯体の分子内の適切な空間配置に、反応機構から反応の促進に働くと予想できる反応補助基(基質認識基を含む)を結合させる。これにより触媒本体と補助基の相乗的効果により、反応活性の格段の昂進を行うと同時に、反応選択性も大きく高まるような、新しい、より優れた触媒分子の創製を目的とする。 本年度は、まず多点水素結合に基づき基質認識を行う官能基をポルフィリン環に導入したものの金属(ルテニウムをはじめとする)錯体を合成した。特に認識部位をポルフィリン環の両面に備えたものの合成を検討した。これまでの2,6-ジアシルピリジンでは認識部位としてやや大きいので、尿素基を認識基として考え合成を進め、3位、5位にアルキルウレア基を導入したベンズアルデヒドを合成し、これよりポルフィリン環を構築する方法と、3,5-diazidophenyl基をメソ位に有するポルフィリンを合成してからアジド基をアルキルウレア基に変換する方法の両方を検討した。どちらのルートも目的物の一段階前までは合成できた。 次に反応補助基を導入したマンガンサレン錯体のカタラーゼ様活性を詳細に検討した。特に尿素基を導入したものに高い活性を観測しているが、これが触媒サイクルのどの段階に尿素基の効果が顕著に表れているかを明確にすることが重要と考え、高原子価オキソーマンガン中間体を効率よく捉えると考えられるABTSを基質として検討した。その結果、過酸化水素を酸化剤としてのABTSの酸化においても尿素基の明確な反応補助効果が認められ、活性種生成の段階を加速することが明らかとなった。
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