研究概要 |
ドーパミンβ-モノオキシゲナーゼ(DβM),ペプチジルグリシンα-アミデイティングモノオキシゲナーゼ(PAM),銅含有アミン酸化酵素(AO),ガラクトース酸化酵素(GAO)などの酵素触媒反応において重要な役割を果たしている単核銅-活性酸素種の創成と酸化機能の解明および応用を目指して検討を行った。単核銅-活性酸素種としては,エンドオン型の銅(II)-スーパーオキソ種,エンドオン型の銅(II)-ヒドロペルオキソ錯体,およびエンドオン型の銅(II)-アルキルペルオキソ錯体を主なターゲットとして検討した。具体的には,(1)新規な配位子の設計と合成,(2)銅(I)および銅(II)錯体の合成とキャラクテリゼーション,(3)銅(I)錯体と分子状酸素との反応による単核銅(II)スーパーオキソ錯体の調製とキャラクテリゼーション,(4)銅(II)錯体と過酸化水素との反応による単核銅(II)ヒドロペルオキソ錯体の調製とキャラクテリゼーション,(5)(4)銅(II)錯体とアルキルヒドロペルオキシドとの反応による単核銅(II)アルキルペルオキソ錯体の調製とキャラクテリゼーション,および(6)得られた各単核銅活性酸素錯体の生成機構の解明と外部基質との反応,などについて系統的に検討を行った。その結果,新規な単核銅(II)スーパーオキソ錯体および単核銅(II)アルキルペルオキソ錯体を得ることに成功し,それらのユニークな酸化機能を見出し,反応機構を明らかにした。
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