研究課題/領域番号 |
19028059
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
石井 洋一 中央大学, 理工学部, 教授 (40193263)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シクロリン酸 / 触媒モデル / 酸素ドナー性配位子 / 多核錯体 / ビニリデン転位 |
研究概要 |
分子性金属錯体を不均一系金属担持触媒の分子モデルとして利用することは、不均一系での反応機構を解明して高機能触媒を設計するための有効な手法である。本研究では、ヒドロキシアパタイト担持金属触媒のモデルとしてシクロリン酸イオンを補助配位子とする遷移金属錯体の反応性を検討した。 まず、ベンゼン錯体(PPN)[Ru(P_3O_9)(C_6H_6)]とbpyあるいはdppeをメタノール中で紫外線照射することによりアルコール錯体(PPN)[Ru(P_3O_9)(ROH)(L)](L=bpy,dppe)を得た。前者はジフェニルアセチレンとの反応でη^2-アルキン錯体(PPN)[Ru(P_3O_9)(PhC≡CPh)(bpy)]を与え、さらにmCPBAと反応させるとα-ケトカルベン錯体(PPN)[Ru(P_3O_9)-(=C(Ph)COPh)(bpy)]へと誘導された。一方、dppe錯体と内部アルキンとの反応では、置換基の種類によりアルキン錯体(PPN)[Ru(P_3O_9)(RC≡CR')(dppe)]あるいはビニリデン錯体(PPN)[Ru(P_3O_9){=C=C(R)R'}(dppe)]が生成することを見出した。後者の生成は、内部アルキンから一般的な炭素置換基の転位によるビニリデンの生成というほとんど例のない反応である。また、単離したアルキン錯体を紫外線照射または加熱したころ、ビニリデン錯体へと異性化することが確認された。このビニリデン転位における置換基の転位傾向を検討するため、^<13>C標識されたPhC≡^<13>CRを用いて詳しく検討した結果、アルキン上の置換基の転位はCOOEt>Me>Phの順に起こり易いことが判明した。この序列は有機化学で一般に見られる有機基の求核的転位とは異なった機構で本反応が進行することを示唆する。
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