研究課題/領域番号 |
19029009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
常田 貴夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20312994)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 密度汎関数法 / 時間依存密度汎関数法 / 共鳴構造 / 配置間相互作用 / 解離ポテンシャル / 光化学反応 / 長距離補正密度汎関数法 / 電子励起状態 |
研究概要 |
本研究は、量子化学計算の9割以上で利用されている密度汎関数法(DFT)の適用性を大幅に拡張するため、DFTに状態間相互作用などの電子配置間の相互作用を取り込む共鳴DFTを開発し、それにもとづく時間依存DFT(TDDFT)として共鳴TDDFTを提案することを目的とする。このような多配置DFTにおいて最大の問題となるのは、そのまま組み合わせてしまうと、配置間相互作用の導入により新たに取り込まれる電子相関とDFTの交換相関汎関数によって取り込まれている電子相関とが二重換算されてしまうことにある。当該年度に開発した共鳴DFTでは、特定の2電子励起のみから生成される電子配置のみを考慮することにより、平行スピン電子対と反平行スピン電子対の電子相関を別個に取り扱うことにより、この問題を解決することに成功した。共鳴DFTが電子相関をきわめてバランスよく取り込んでいることは、数値計算によって、高精度だが高負荷の波動関数法による電子相関エネルギーに非常に近いエネルギーを与えることからも確かめられた。さらに、共鳴DFTを小分子の解離ポテンシャル曲線計算に適用した結果、本研究者がこれまでに開発してきた長距離補正(LC)法を汎関数に適用した場合に限り、ポテンシャル曲線を再現できることが明らかになった。また、長鎖ポリエンの双極子モーメントを計算した結果、LC法を適用すると鎖が長くなっても電子相関のバランスが保たれることも明らかになった。さらに、本研究では、共鳴TDDFTの定式化も済ませた。共鳴DFTの開発が完了し次第、プログラム開発に取り組む予定である。
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