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量子化学計算と核磁気共鳴による有機光電変換系の電子状態解析

研究課題

研究課題/領域番号 19029025
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関京都大学

研究代表者

梶 弘典  京都大学, 化学研究所, 准教授 (30263148)

研究期間 (年度) 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード量子化学計算 / 核磁気共鳴 / 有機EL / 有機太陽電池 / 分子性固体
研究概要

有機光電変換系における有機材料の基礎的知見を得ることを目的として、下記の結果を得た。
正孔輸送材料として広く知られているTPDのHOMOとコンホメーションの相関について、密度汎関数法(DFT)によって検討した。中央部のビフェニレン基と窒素とをつなぐ結合のねじれ角αを0°から90°に変化させるとHOMOはビフェニル基から、窒素および末端のトリル・フェニル基に徐々に移って行くことがわかった。また、α〓60°においてHOMOが分子全体に非局在化していることがわかった。今後、HOMOがビフェニルに局在化している状態(α〓40°)、分子全体に非局在化している状態(α〓60°)、分子の末端部位に局在化している状態(α〓100°)のいずれの状態が分子間ホッピング伝導に好ましいか、実験的に得られた非晶TPDの分子間パッキング構造に基づき計算を進める予定である。
ポルフィリン誘導体とC_<60>を用いた有機太陽電池系に関して、IPCE値が59%という高い特性が得られている。一方で、ポルフィリン誘導体における置換基をわずかに変えただけでその特性は大きく低下する。この原因を明らかにするため、固体NMRにより分子レベルでの構造を明らかにすることを試みた。その結果、非晶膜中で、IPCE値の高い系において、ポルフィリン誘導体-C_<60>間でそのモル比が1:2,1:1,2:1および3:1の化学定量比を保持した超分子構造が形成されていることが明らかとなった。この結果は、DFT計算からも支持された。また、これらの超分子化によりポルフィリンからC_<60>へ電子が移動していることも明らかとなった。一方、IPCE値の低い系では超分子化は発達しておらず、有機太陽電池の特性変化の原因を明らかにすることができた。本研究は、本特定領域内の、京都大学工学研究科今堀教授との共同研究として推進した。

報告書

(1件)
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Effects of Porphyrin Substituents on Film Structure and Photoelectrochemical Properties of Porphyrin/Fullerene Composite Clusters Electrophoretically Deposited on Nanostructured SnO_2 Electrodes2007

    • 著者名/発表者名
      Imahori, H, et. al.
    • 雑誌名

      Chem. Eur. J 13

      ページ: 10182-10193

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 有機半導体材料の固体NMR解析とデバイス応用への展開2008

    • 著者名/発表者名
      梶 弘典(Invited)
    • 学会等名
      分子研ナノフォーラム「有機半導体の基礎科学とデバイス応用に関する研究会」
    • 発表場所
      分子科学研究所・研究棟201号室(明大寺地区)
    • 年月日
      2008-03-13
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 有機光電変換材料の固体NMR解析2007

    • 著者名/発表者名
      梶 弘典(Invited)
    • 学会等名
      「科学技術交流財団 ナノ有機分子エレクトロニクス創成研究会」
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-12-19
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 有機光電変換材料の固体NMRおよびDFT解析2007

    • 著者名/発表者名
      梶 弘典(Invited)
    • 学会等名
      文部科学省 科学研究費補助金 特定領域研究実在系の分子理論 A01班勉強会 複合電子系へのアプローチ:理論化学の新発展を求めて
    • 発表場所
      九州大学医学部百年講堂
    • 年月日
      2007-11-24
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 有機光電変換材料の固体NMR解析2006

    • 著者名/発表者名
      梶 弘典(Invited)
    • 学会等名
      有機太陽電池研究会 第3回有機太陽電池シンポジウム主題:「有機薄膜太陽電池-新材料、新素子構造、理論-」
    • 発表場所
      京大会館(京都市左京区)
    • 年月日
      2006-07-16
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2007-04-01   更新日: 2018-03-28  

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