研究概要 |
1.表面音響フォノン励起とその観測 LiNbO3単結晶の表面にinterdigital transducer電極を設け、2つの電極の間には真空蒸着により銀などの金属薄膜試料を準備した。この電極に周波数20MHzのラジオ波(RF)の電場をかけることにより表面音響フォノンの定在波を立て、レーザードップラー振動計を用いてこの表面音響フォノンの定在波による表面の変位を測定することができた。 2.偏光変調反射赤外吸収分光 超高真空下ではなく試料ガスが比較的高圧で存在する雰囲気下での反応に着目したため,気相中に反応ガスが存在する条件下で金属表面に吸着した分子の振動スペクトルを観測する必要がある。このため,通常の反射赤外吸収分光法ではなく、入射光の偏光面を変調させた偏光変調法を採用した。これを用いて銅薄膜上でメタノールを反応させたところホルムアルデヒドに特徴的な吸収ピークを観測することができた。 3.仕事関数の変化 音響フォノンの定在波を1で用意した銅,金,パラジウム薄膜上に導入し、光電子顕微鏡(PEEM)を用いて、仕事関数変化を測定した。その結果、音響フォノン定在波による表面金属原子の変位が金属の仕事関数の変化と関連があることが分かった。
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