研究課題
特定領域研究
本研究は、流動・電場などの外場の印加や温度・圧力などの環境変数の変化に伴うブロック共重合体の構造-構造転移(Order-Order Transition, OOT)を、最先端の透過型電子線トモグラフィー法(3D TEM)により3次元的な実像として捕らえ、その3次元構造とOOTのダイナミクスを明らかにすることを目的とする。本年度は電子線トモグラフィー法(3D TEM)による構造-構造転移(OOT)の3次元観察を行った。試料としてPoly(styrene-block-isoprene)(SI)を用い、3次元構造であるGyroid構造と棒状ドメインが六法格子状に充填したHexagonally-Packed Cylinder(HEX)構造の間のOOTについて検討した。このSIブロック共重合体が、Gyroid構造を呈している状態から、HEX構造が平衡であるような熱力学的平衡状態へ温度を急変させ(Gyroid⇒HEX)、その転移過程を液体窒素などにより急冷して固定化した上で、2つの構造の接合部分を3D TEMにより立体観察し、得られた画像からドメインの連結性・結晶面などの構造情報を決定した。前年に検討したGyroid構造と孔の空いたレイヤー状の層が積層したHPL構造のOOTの場合と同様、エピタキシャル転移が起こっていることが分かった。従来予測されていたGyroid構造の{111}、{211}、{220}面がシリンダー構造の{001}、{100}、{110}面に転移する様式とともに、Gyroid構造の{220}、{111}、{211}面がシリンダー構造の{001}、{100}、{110}面に転移する新しいOOTも発見した。この結果は、今後のOOT理論に影響を与える重要な結果と考える。
すべて 2009 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (2件)
J. Am. Chem. Soc 131
ページ: 46-47
Progr. Theor. Phys. Suppl 175
ページ: 166-173
110007004949
Macromolecules 41
ページ: 4845-4849
Polymer J. 39
ページ: 794-758
10019562016
Macromolecules 40
ページ: 2603-2605
ページ: 7590-7593
http://www.cis.kit.ac.jp/~mechanic/jinnai/index_j.html
http://www.cis.kit.ac.jp/~mechanic/jinnai/articles.html