研究課題/領域番号 |
19031023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐 昌一 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20112295)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2008年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 液晶エラストマー / 高分子物性 / 構造転移 / ダイマー / サイボタティック・ネマチック / 液晶オラストマー |
研究概要 |
液晶エラストマーの物性は、液晶分子の構造やクロスリンキング物質の構造と濃度に大きく依存する。本年度はサイドチェーン型の液晶エラストマー(LCE)とメインチェーン形液晶エラストマーの研究を行った。今回とくに新しいメインチェーン型液晶エラストマーを合成し、その膨潤物性ならびに弾性特性を測定した。その結果、ドライ状態のメインチェーン型LCEでは電気力学効果は全く観測されないが、5CBで膨潤された場合には大きな電気力学効果が観測され、同時に電界誘起のポリドメイン-モノドメイン(PM)転移が誘起された。これが光透過率に大きな変化を示すことが見いだされ、PM転移と電気力学効果との関連が明らかとなった。また弾性測定に依れば、メインチェーンLCEでは非常に少ない伸張率で応力-変形曲線に平坦部が現れ、これが液晶分子の回転に起因するものと分かった。併せてメインチェーンLCEではこの平坦部(約10KPa以下)で膨潤速度が上昇し、弾性係数が約100Kpa程度を越えると膨潤しなくなることが分かった。これらは弾性ストレス律速の膨潤現象が起こっているものと考えられ、その機構について今後研究を行う予定である。 一方、サイドチェーンに2種の液晶分子を混合し、併せてクロスリンキング濃度を変えた場合にどのような構造変化・物性変化を呈するかを昨年度に続き調べた。その結果、極性の強い液晶分子の濃度が増すと堅くなり、かつ層構造をとりやすく、スメクチック相やバイレーヤー・ダイマーとなりやすいことが明らかとなった。これらの現象を相互作用ならびに構造面から理解するためにX線解析実験を進行中である。
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