研究課題/領域番号 |
19035006
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 卓史 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80155837)
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研究分担者 |
米徳 大輔 金沢大学, 自然科学研究科, 助教 (40345608)
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研究期間 (年度) |
2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ガンマ線バースト / ダークエネルギー / ダークマター / 初期宇宙 / 距離指標 / 宇宙論パラメータ |
研究概要 |
ガンマ線バースト(GRB)の観測データを用いて、2種類の距離指標について研究した。 我々が発見したEp-luminosity関係をIa型超新星で較正し、新しい「距離はしご」を提唱した。この較正されたEp-luminosity関係は、Ia型超新星では観測困難な赤方偏移が2を超えるような初期宇宙において威力を発揮し、GRBまでの光度距離を観測量だけから測定できるようになる。一般的に「赤方偏移」と「光度距離」の対応関係から、宇宙のダークエネルギーやダークマターの量(宇宙論パラメータ)を決定することができる。我々は過去に観測されたGRBデータを総ざらいすることで、世界で初めて赤方偏移が1.8〜5.6という領域における宇宙論パラメータの測定に成功した。その結果、ダークエネルギーやダークマターの量はこれまでの観測結果と良い一致を示し、これら2つの物理量は時間変化が小さいという、ダークエネルギー研究にとって重要な観測事実を提示した。 また、lag-luminosity関係と呼ばれる別の距離指標についても考察した。これも一つの距離指標として重要であるのだが、上記Ep-luminosity関係との整合性が悪いという問題点を抱えていた。そこで我々は600例あまりのGRBデータを用いてlag-luminosity関係を詳細に見直し、その中に赤方偏移依存性が隠れている証拠を見出した。この事実はlag-luminosity関係そのものの精度を向上させるだけでなく、Ep-luminosity関係との整合性も説明できるようになる。つまり、本研究で取り扱った2つの距離指標はいずれも妥当なもので、今後のGRBを用いた宇宙論研究で強力な道具となり得ることを示すことができた。
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