研究概要 |
金属イオン輸送体の構造解析に関しては、我々の結晶構造解析の結果(Nature, 2007)から示唆されたMg^<2+>依存的な構造変化を検証すべく, MgtE細胞質ドメインの分子動力学シミュレーションを行った. その結果, 計算機内で細胞質ドメインのMg^<2+>依存的な開閉構造変化を再現することに成功し, 細胞質ドメイン中のNドメインが構造変化に果たす役割が示唆された(PNAS, 2008). さらに結晶構造やシミュレーション結果から示唆されたMg^<2+>ホメオスタシス機構を検証するために, パッチクランプ法等を用いた変異体解析を行った(論文準備中). ペプチド膜透過装置に関しては、SecYEのセレノメチオニン置換体結晶を用いた多波長異常分散法により位相決定に成功し、最終的に3.2A分解能での構造決定を行った(Nature, 2008)。さらにTSecDFについては, ペリプラズム領域のみの高分解能構造を、結晶構造解析・NMR法を用いて決定した。今後全長の電子密度マップにこれらの構造を当てはめ、新規膜タンパク質TSecDFの分子モデルを構築中である。(論文準備中)
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