研究課題/領域番号 |
19036023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山縣 ゆり子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40183678)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2008年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 膜結合タンパク質 / 機能夫知ドメイン / 蛋白質複合体の結晶化 / X線結晶構造解析 / 機能未知ドメイン / 構造生物学 |
研究概要 |
本研究で対象とする膜に関わる蛋白質は、1) 熊本大学谷らによって酵母のmRNAの核外輸送ができない温度感受性株の一つの原因蛋白質として見出されたPtr7と、2) 炎症性サイトカイン受容体ファミリーからの情報伝達に関わるTRAF6/TIFA複合体であったが、Ptr7のホモログの構造解析や機能解析が報告されたので、新たにPtr7と同様、mRNAの核外輸送に関わると予想されるが機能未知である1回貫通型膜蛋白質Ptr10のヒトホモログの膜外C末ドメインhPtr10Cを対象に加えた。本研究の目的は、hPtr10CのX線結晶構造解析を行い、立体構造から機能を推定し、核膜や小胞体膜に存在するPtr10の働きを解明することである。Ptr7については酵母における機能解明とその立体構造基盤の解明が目的である。さらに炎症性サイトカインからの情報伝達機構について、立体構造に基づく機能の解明と抗炎症剤の設計を目的とする。 hPtr10Cについては、X線構造解析可能な結晶が得られ、さらに、SeMet化結晶も得られたので放射光研究施設を利用し、単波長異常分散法(MAD/SAD法)による構造解析に成功した。明らかになった立体構造は全く新規のフォールドであったので、この構造からすぐに機能の予測が出来ないが、特徴的な構造と構造形成に必須である分子内S-S結合の存在を見出し、hPtr10Cは小胞体で働くと推定できた。 Ptr7については現在のところヒトホモログで報告されたsiRNAのリン酸化活性は見出だされていないので、Ptr7-RNA複合体の結晶化は行っていない。 TRAF6/TIFA複合体については、高純度に精製できたTRAF6CとTIPAとの複合体の結晶化を行い、細い針状結晶が得られた。現在X線構造解析可能な太さの結晶作成を試みている。また関連のTNF/TNFR複合体の構造解析に成功し、炎症性サイトカインからの情報伝達機構の第1ステップが解明できた。
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