研究課題/領域番号 |
19037012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (60301785)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2008年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 受精 / 精子活性化・誘引物質 / 鞭毛運動調節 / 動物生理化学 / 精子走化性 / カルシウム / カタユウレイボヤ |
研究概要 |
本研究では、精子鞭毛運動の調節機構の全容解明を最終目標とする。研究期間中においては、主に精子走化性等の卵由来物質による鞭毛運動の調節システムの解明に焦点を絞り、これまで構築してきた精子鞭毛運動のイメージングシステムを用い、カタユウレイボヤ精子誘引物質SAAFによる精子走化性運動時の鞭毛運動制御機構の解明を試みている。走化性運動時の精子では方向転換のために鞭毛波形の対称性が対称から非対称へと急激に変化するが、この鞭毛波形の変化が見られる直前に細胞内Ca^<2+>の一過的な上昇(Ca^<2+>バースト)が開始することが明らかとなった。このときの鞭毛波形変化と細胞内Ca^<2+>濃度について詳しく解析したところ、Ca^<2+>の絶対濃度と対称性が必ずしも比例関係にはないことがわかった。さらに、誘引物質濃度勾配中においてCa^<2+>バーストがどこで起こるかを調べところ、精子は誘引源に向かって泳いでいるときではなく、常に誘引源から最も離れたときに反応していることが明らかとなった。以上の結果より、精子は誘引物質濃度が減少から上昇に変わる点(濃度変化の極小値)を検出し、Ca^<2+>バーストが生じることで鞭毛波形を瞬時に変化させ、遊泳方向の転換を行っているのではないかと言う仮説を立て、検証している。また、ユウレイボヤの精子活性化及び走化性にはNa^+/Ca^<2+>exchanger(NCX)が重要な働きを持つが、実際に細胞内からのCa^<2+>排出に働いていることが明らかとなった。
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