研究課題/領域番号 |
19038019
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
田上 英明 名古屋市立大学, 大学院・システム自然科学研究科, 准教授 (70273216)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2008年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2007年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 機能複合体 / 動的クロマチン制御 / ヒストン / ピストン |
研究概要 |
出芽および分裂酵母において、FLAGI/HAエピトープタグを付加した各種ヒストン遺伝子株を構築し、各種ヒストンと相互作用する因子群を機能複合体として解析した。これまでに、可溶性画分から生理的条件下で免疫沈降することにより、クロマチンへの挿入装置だけでなく、修飾や局在、分解といった動的なヒストンメタポリズムについての関連因子をスクリーニングし、新規クロマチン関連因子も含めてヒストンダイナミクスの一端が明らかとなった。 例えば、出芽酵母において、可溶性ヒストンはH3/H4がきわめて少ない。一方、比較的可溶化しやすいH2A-H2B複合体はヒストンシャペロンNap1以外にEACT(Spt16、Pob3)を含むことが明らかとなった。FACTはクロマチン転写を促進する因子として有名であるが、各種阻害剤、細胞固定法など様々な条件で解析することにより、FACTは転写や複製時のみならず、生体内でクロマチンからH2A/H2Bを解離させる働きを持ち、よりグローバルなH2AIH2Bダイナミクスを規定する基盤因子として働くことが示唆される。また、ヒストンH3-H4複合体は出芽酵母、分裂酵母、ヒトの間でかなり異なることが明らかとなり、クロマチン形成の共通の分子基盤と戦略のバリエーションが示唆される。分裂酵母ヒストンH3複合体の主要構成因子の1つとして同定した新規クロマチン因子は、大量発現により染色体分配異常を引き起こす。In vitroにおいてヒストンH3/H4と結合するが、結合領域も新規であり、如何にして特異的にヒストンと相互作用するのか興味深い。また、既知のヒストンシャペロンCIA1(=Asf1)とヒストンを介した相互作用することからも、クロマチン制御の新たな一面が明らかとなりつつある。
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