研究課題
特定領域研究
クロロフィル代謝の中間体は、活性酸素を発生させたり、生物活性のない分子に容易に変換される性質を示すと同時に、葉緑体シグナルとしても機能している。そのため、クロロフィル代謝は厳密な制御が要求される。クロロフィル代謝に関して多くの制御機構が提唱されているが、その厳密な制御は依然不明である。クロロフィリドaオキシゲナーゼ(CAO)はクロロフィルaをクロロフィルbに転換する酵素である。この酵素は、クロロフィルbの合成を通じて、集光装置の大きさを制御する働きがあり、光環境に応じた制御を必要としている。クロロフィルbの量はCAOタンパク質の蓄積によって制御されている。CAOはA、B、Cの3つのドメインから構成されている。そのうちAドメインがCAOタンパク質蓄積の制御に関わり、その制御はClpプロテアーゼによるCAOの分解によるものであること、さらにAドメインの内部に存在する10アミノ酸配列が自身の分解に関わっていることが明らかになった。本年度は、この配列(分解シグナル配列)が他の葉緑体タンパク質に存在するのかを検討した。そこで、分解シグナル配列と相同な配列を持ったタンパク質を検索した。その結果、光化学系IIの中心集光装置であるCP43とCP47に、分解シグナル配列と似た配列が存在することを見出した。そこで、この配列を葉緑体移行シグナルを持ったGFPと融合させ、シロイヌナズナに導入し、そのタンパク質の蓄積を調べた。その結果、この配列と融合させたGFPの蓄積は強く阻害された。これらの結果は、CAO内に見出した分解シグナル配列は葉緑体タンパク質蓄積制御に広く用いられていることを示している。
すべて 2009 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 16件) 学会発表 (23件) 備考 (2件)
Biochim Biophys Acta 1787
ページ: 191-200
Proc Natl Acad Sci USA 106
ページ: 803-807
J. Biol. Chem. 283(14)
ページ: 9002-9011
120000952725
Biochimica et Biophysica Acta 1777
ページ: 379-387
Photochem Photobiol Sci 7
ページ: 1196-1205
BMC Plant Biology 8
Proc Natl Acad Sci USA 105
ページ: 15184-15189
Plant J 57
ページ: 120-131
植物の生長調節 43
ページ: 95-105
110007007933
Tree physiology 27
ページ: 641-648
Plant Cell 19(4)
ページ: 1362-1375
Photosynthetica 45(2)
ページ: 259-265
Annu. Rev. Plant Biol. 58
ページ: 321-346
Plant Physiol Biochem. 45
ページ: 740-749
120000952726
Plant Cell Physiol 48
ページ: 1803-1808
10027006454
http://www.lowtem.hokudai.ac.jp/plantadapt/ayumi/