研究課題/領域番号 |
19040024
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
伊藤 道彦 北里大学, 理学部, 准教授 (90240994)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2008年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 性決定遺伝子 / W染色体 / 両生類 / 性染色体 / 卵巣形成 / 発現ヒエラルキー / アフリカツメガエル / DMRT 1 / 性決定 / 雌決定遺伝子 / ZZ / ZW |
研究概要 |
脊椎動物の性決定機構には、性染色体依存型と環境依存型がある。前者においては、♂ヘテロのXX/XY型の哺乳類及び魚類メダカで、Y染色体上にそれぞれSRY、DMYが、♂を決定する遺伝子として同定されているが、♀ヘテロのZZ/ZW型種では、性決定遺伝子は同定されていなかった。昨年度の本特定領域研究において、研究代表者らは、ZZ/ZW型のアフリカツメガエル(X.laevis)において、♀ゲノム特異的遺伝子DM-W(DMRT1の重複によって誕生したWリンク遺伝子)が、性(♀)決定遺伝子である事を強く示唆する結果を得た(PNAS,2008gFeb.)。本年度は、その性決定の分子メカニズムを解明する事を目的として、<DM-Wは、DMRT1の精巣形成機能を阻害する事によって卵巣形成を導く性(♀)決定因子である>という作業仮説の検証を行い、以下の成果が得られた。1、DM-Wノックダウン導入個体を作製し解析した所、遺伝的♀ZW生殖巣に精巣構造(含 : 精子形成)を有する個体が観察された。(2)DMRT1発現トランスジェニックカエルを作製し解析した所、遺伝的♀ZW個体のいくつかに精巣構造が認められ、DMRT1が精巣形成上位遺伝子である事が示唆された。(3)培養細胞系において、DM-W量依存的に、DMRT1の転写活性化能が阻害された。これらの事から上記仮説の妥当性が強く示唆された。現在、これらをまとめ、論文投稿中である。また、昨年度に引き続き、卵巣形成遺伝子発現ヒエラルキーの解析を行い、ZW個体において、DM-Wは、性決定期・性分化期のFox12、Cyp19の未分化生殖巣での発現を上方制御する事によって♀化を引き起こす事が示唆された。この知見は、論文発表予定である(Okada et al., Sex. Dev. in press)。
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