研究課題/領域番号 |
19040026
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
向後 晶子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (20340242)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ミュラー管 / Dlg / 発生・分化 / ウォルフ管 / シグナル伝達 / 上皮 |
研究概要 |
Dlghl遺伝子ノックアウトマウスでは泌尿生殖管の形態異常と、それに伴う膣の無形成が観察された。生殖管の形態形成過程の観察より、DlghlKOマウスでは左右ミュラー管の下方への伸長と両者の癒合が起こっていないことが判明した。DlghlはE-cadherinを含む接着複合体の細胞内局在を規定すると報告されてきたが、Dlghlの欠損は、胎生期尿管上皮におけるE-cadherinの細胞内分布に影響を及ぼさなかった。ただし、ミュラー管上皮細胞では、癒合時期を境にN-cadherinからE-cadherinへの発現パターンの変化が見られたので、DlghlはN-cadherinの細胞内分布に関与しているのかもしれない。一方、Dlghlとの結合モチーフを持つWntシグナル受容体frizzled-1は、DlghlKOマウス尿管上皮で細胞内局在が変化していた。さらに、MDCK細胞を使用した上皮細胞シストの癒合実験では、Wntシグナル阻害剤の添加によりシスト間の癒合阻害が見られ、この過程へのWntシグナル関与の可能性が示唆された。これらの結果から、DlghlはWntシグナリングを介してミュラー管上皮の癒合に関わっている可能性が示唆される。また、より初期に起こるウォルフ管、尿管の形成はミュラー管発生に影響を及ぼしうるが、DlghlKOマウスでは、この両者の形態異常も認められ、共通腎管上皮細胞のアポトーシスが抑制され、尿管が泌尿生殖洞に開口せずに異所開口を示すことが明らかになった。
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