研究課題/領域番号 |
19040029
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 京都大学 (2008) 基礎生物学研究所 (2007) |
研究代表者 |
今村 拓也 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90390682)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2008年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 核内受容体 / DNAメチル化 / アンチセンスRNA / 脱メチル化 / 性ステロイド / エピジェネティクス / 脳性分化 / ヒストン修飾 / ステロイド |
研究概要 |
マウス性ステロイド核内受容体遺伝子ERα、ARプロモーター領域に脳部位特異的かつ性特異的DNAメチル化領域があること、及び新規アンチセンスRNA(ERαas、ARas)が発現することを見つけていた。全身性強制発現(ERαas-Tg・ARas-Tg)マウスには、配列特異的DNA脱メチル化/mRNA発現上昇/性行動異常を認められる。本年度はARas発現性差のある周生期脳領域について、アンチセンスRNAが直接、配列特異的DNA脱メチル化を促進している可能性について検討するため、Ad4BP/SF1遺伝子の腹内側核特異的エンハンサー下流にARas cDNAを繋いだコンストラクトにより、メチル化性差の認められている脳部位特異的にARasを発現するトランスジェニックマウスを作製した。この新規トランスジェニック雌マウスは、全身性ARas強制発現雌マウス同様、性成熟後に配列特異的DNA脱メチル化/mRNA発現上昇/性行動異常をおこし、雄に特徴的な性行動であるマウンティング行動を有意に認めた。脳の性分化に重要である周生期において、トランスジェニック雌のDNAメチル化/ヒストン修飾パターンは既に雄型に変換していた。またRNA免疫沈降法により、この時期のARasがAR遺伝子のクロマチン構造に直接的に作用していることが明らかとなった。脳雄性化には新生児期の精巣由来アンドロジェンが必須であるが、確かに新生児期に精巣除去すると野生型雄マウスの腹内側核におけるARasの発現は低下し、2日後までにDNAメチル化パターンは雌型に回帰した。一方、新規トランスジェニック雄は新生児期に精巣除去をしてもDNAメチル化パターンは雄型を維持していることがわかった。したがって、アンドロジェンシグナルはARasを介したエピジェネティック制御により、腹内側核の雄性化に関わることが明らかとなった。
|