研究課題/領域番号 |
19041009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 亮 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70054020)
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研究分担者 |
中谷 和宏 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70109388)
中尾 稔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70155670)
迫 康仁 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40312459)
柳田 哲矢 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40431837)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2008年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | エキノコックス症 / エキノコックス症病態と抗体応答 / 遺伝子多型 / 新種エキノコックスの幼虫発育 / RecEml8-ELISA / RecAgB8 / 1-ELISA / 寄生虫 / 遺伝子 / 感染症 / 酵素 / 分類 |
研究概要 |
エキノコックス症(多包虫症、単包虫症)における1)宿主の免疫応答性解析ならびに2)寄生虫の遺伝子解析、3)新種Echinoccus shiquicusと他のエキノコックスの発育動態比較観察を中心に研究を実施した。1)WHOは多包虫症、単包虫症の病態をそれぞれPNMstage I〜IV, CL〜CE5と定義している。病態が正確に把握されている多数の多包虫症血清、単包虫症血清についてドイツのPKern教授、イタリアのE Brunetti教授の研究グループからそれぞれ提供を受けた。エキノコックス症感染動態とTotal IgGの動態解析を実施し、それぞれ共著論文を作成し、投稿した。RecEm18-ELISAが多包虫症の感染動態を正確に評価できる抗体指標になること、RecAgB8/1-ELISAが単包虫症の感染動態、特に活性病巣を有している症例のほぼ90%を検出できることが判明した。現在は、IgG subclass, IgE応答を解析中である。2)ミトコンドリアならびに核遺伝子を用いるエキノコックス属条虫種の再評価を実施し、アフリカライオンに寄生している種を独立種(Echinococcus felidis)として再記載した。ヨーロッパ、南米、中国に分布しているいわゆる単包条虫(E. granulosus sensu strict)ならびに北半球に分布している多包条虫(E. multilocularis)、中国チベット高原から発見された新種エキノコックス条虫(E. shiquicus)の遺伝子多型を解析し、E. shiquicusが遺伝子多型に富んでいるのに対し、他の2種では地域を問わずほぼ均一の遺伝子型が中心になっていることが判明した。3)E. shiquicus幼虫の形態は他の条虫と大きく異なっていることが判明した。中国に分布しているエキノコックス条虫3種の発育様式の比較、公衆衛生学的に重要な多包虫症、単包虫症の病態と抗体応答のさらなる解析が今後の課題である。
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