研究課題/領域番号 |
19041026
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
倉永 英里奈 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (90376591)
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研究分担者 |
三浦 正幸 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50202338)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2008年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | カスパーゼ / 細胞死 / 生体防御 / ショウジョウバエ / 生体防御機構 |
研究概要 |
カスパーゼは細胞死のメディエーターとして機能するシステインプロテアーゼであり、生体防御機構においても重要な役割を担うことが知られている。カスパーゼ1や11はマクロファージなどの免疫系細胞において炎症性サイトカインの分泌に関与し、同時にカスパーゼはイニシエーターカスパーゼとして細胞死実行カスパーゼであるカスパーゼ3を活性化する。しかしながら、生体防御反応時においていつ、どこでカスパーゼが活性化するのか未だ明らかでない。そこで、カスパーゼの活性化を可視化するツールとして、FRETを用いたインディケーター(SCAT3)を発現するショウジョウバエ系統を作製した。ショウジョウバエの脂肪体は感染時に抗菌ペプチドを産生する器官として知られている。我々は、ショウジョウバエの遺伝学的手法を用いてショウジョウバエの脂肪体にSCAT3を発現させ、感染後のカスパーゼ活性検出を試みた。ショウジョウバエ腹部にE. coliをマイクロインジェクションした後に、時間経過毎に脂肪体を取り出し、単一細胞レベルでのカスパーゼ活性を観察した。その結果、E. coliの注入後30分の間において、脂肪体細胞の一部の細胞で、細胞死を誘導するのに十分なカスパーゼ活性が観察された。感染後の免疫担当細胞におけるカスパーゼ活性化動態の単一細胞レベルでの観察はこれまでに報告が無く、新しい知見である。興味深いことに、カスパーゼ活性が観察されたのは一部の細胞だけではなく、それ以外の細胞においても、微弱な、あるいは一時的なカスパーゼ活性が検出された。この活性が、持続し細胞死を誘導するものかどうかについて、E. coli注入後6時間の脂肪体細胞を観察したところ、活性化が見られなかったことから、感染後初期に誘導された一時的な活性化であることが考えられ、E. coliの感染初期においてカスパーゼが何らかの生理機能を果たしていることが示唆された。
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