研究課題/領域番号 |
19041052
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安友 康二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30333511)
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研究分担者 |
前川 洋一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10294670)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2008年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2007年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | リガンド / Notch / Tリンパ球 / 原虫感染 / 寄生虫感染 / 免疫回避 / 細胞傷害性機能 / 宿主寄生体相互作用 |
研究概要 |
我々のこれまでの研究からCD4+Tリンパ球のNotch 3と樹状細胞上のDelta 1が相互作用することで、Th1分化が著明に促進することを明らかになっている。一方で、CD8陽性Tリンパ球のエフェクター機能獲得におけるNotchシグナルの役割は不明であった。さらに、NK細胞の活性化機構にNotchシグナルがどのように寄与しているかも明らかになっていない。本研究から、Notch 2欠損CD8陽性Tリンパ球では細胞傷害性Tリンパ球(CTL)分化が著明に障害されていることが明らかになった。トリパノソーマ原虫感染のコントロールにはCTLが必須であるが、Notch 2遺伝子破壊マウスではトリパノソーマ原虫感染の抵抗性が著明に減弱していた。以上の結果から、Notch 2シグナルはCTL分化を調節し、原虫感染のコントロールに必須に近い役割を持っていることが解明された。Notch 2シグナルと相互作用するNotchリガンドとしては、Delta-like 1およびDelta-like 4がその候補として考えられた。実際に、Delta-like 1を過剰発現させた樹状細胞では強力なCTL分化誘導能力があることをマウス個体内で実証することに成功した。 以上の結果かから、Notch 2シグナルはCTL分化誘導に非常に重要な役割を担うシグナル系であることが明らかになり、原虫をはじめとするCTLが感染コントロールに必須の感染症のコントロールにもNotchシグナルが寄与していることが推測された。今後は、Notch 2と相互作用するNotchリガンドが何であるかを個体レベルで解明すること、感染体の中に宿主Notchシグナルに影響を与える分子の存在の有無について検討することが課題である。
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