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溶血レンサ球菌が産生するNAD分解酵素による毒性発現機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19041063
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関福井県立大学

研究代表者

木元 久  福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (70283166)

研究分担者 藤井 豊  福井大学, 医学部, 准教授 (80211522)
研究期間 (年度) 2007 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2008年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード溶血レンサ球菌 / ストレプトリジン / NAD分解酵素 / コレステロール / タイプIII分泌系
研究概要

本研究の目的は、溶血レンサ球菌の病原性機構を分子レベルで解明し、効果的な治療法や新しい医薬品の開発に応用することである。溶血レンサ球菌はヒトへの感染に重要な毒素を細胞外へ分泌しており、これらの毒素が感染症の発症には重要であるが、特にNAD分解酵素(NADase)を中心に毒性発現機構を解析した。
グラム陽性菌である溶血性レンサ球菌は硬くて厚い細胞壁を持つため、これが障害となってグラム陰性菌のような直接毒素を宿主細胞内に送り込むタイプIII分泌系を使うことができない。そこで分泌型毒素であるストレプトリジンO(SLO)が宿主細胞膜上に形成した孔から、NADaseのような毒素が細胞内に移行していると推測される。しかしながら、細胞膜上に孔を形成しただけでは、毒素分子を細胞内に効率よく導入することはできない。そこで、さらなる機構が存在しているのではないかと考え、NADaseとSLOの分子間相互作用について詳細に解析した。その結果、(1)NADaseとSLOは弱い複合体を形成、(2)SLOと同様にNADaseもコレステロールと弱く結合、(3)コレステロールはSLO活性を阻害するがNADase活性には影響しないことなどを明らかにした。
以上の結果から、細胞外へ分泌されたSLOとNADaseは、ヒト細胞膜上の脂質ラフトと呼ばれるコレステロールに富む領域で濃縮され、SLOが細胞膜上で形成する孔よりNADaseが細胞内へ効率よく移行することが示唆された。SLOがコレステロールに結合するとコンフォメーション変化が起こることが報告されており、これによりNADase-SLO複合体が解離するのではないかと考えている。また、申請者らはNADaseの阻害剤に関する特許を取得した。本研究により得られた成果は、溶血レンサ球菌感染症を理解するために重要な知見であり、新しい治療法や薬剤開発への応用が期待される。

報告書

(2件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 溶血性連鎖球菌の産生する毒素タンパク質の解析2009

    • 著者名/発表者名
      谷川紗也佳・藤井豊・木元久
    • 学会等名
      日本農芸化学会2009年度大会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      2009-03-29
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [産業財産権] NADase、SNIおよびSLO遺伝子を含むオペロンから発現するタンパク質の製造方法、それにより得られるタンパク質およびその使用2009

    • 発明者名
      木元久藤井豊武藤明
    • 権利者名
      国立大学法人福井大学
    • 出願年月日
      2009-03-06
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2007-04-01   更新日: 2018-03-28  

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