研究課題/領域番号 |
19042022
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村田 武士 京都大学, 医学研究科, 助教 (80415322)
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研究分担者 |
山登 一郎 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70111458)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2008年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | V-ATPase / X線結晶構造解析 / ポンプ / ナトリウム / モーター / 複合体 / 膜タンパク質 / Enterococcus hirae |
研究概要 |
当初研究計画に従って、下記の研究結果を得た。 下記番号は研究実施計画書の番号に対応させた。 1) 前年度に開発した変異株作製系では発現量が少なく、変異酵素を完全精製することが難しかった。本年度、新規発現プラスミドを作製することにより本酵素変異株の大量発現及び大量精製系を確立することに成功した。 2) Na^+結合型NtpKリングからNa^+を取り除いた構造の外側にNa^+を発生させてMDシミュレーションを行った。グルタミン酸残基にトラップされたNa^+イオンはNa^+結合ポケットに入り、Na^+結合型の結晶構造と類似した構造で安定化した。また、Li^+とH^+はリングに結合できるが、イオン半径が大きいK^+は結合できないことがわかった。 3) 結晶化の精密化を行っているが、解像度の改善はみられなかった。結晶性が悪い原因としてV_1複合体からのサブユニット解離が示唆された。ATP、ADP存在下ではV_1部分はpHに依存してサブユニット解離が起るが、AMP-PNP存在下では安定化することがわかった。また、V_1部分に相当するサブユニットのうちNtpA、NtpB、NtpE、NtpFサブユニットそれぞれの大腸菌大量発現系を確立し、各サブユニットの生化学的性質を調べた。 4) V_1-ATPaseの構造が得られていないのでF_1-ATPaseの計算機シミュレーションを進めた。分子動力学法/自由エネルギー計算によりβサブユニットの構造変化とγサブユニットの回転を共役する役目を持つと考えられているDELSEED配列(Asp394〜Asp400)付近の構造を観察したところ、基質変換に伴い構造変化が確認された。すなわち、DELSEED配列近傍のPhe418〜Gly426は、触媒反応と構造変化、回転を共役するのに重要な残基であることか示唆された。
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