研究課題/領域番号 |
19044040
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
服部 信孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (80218510)
|
研究分担者 |
佐藤 栄人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00445537)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2008年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | パーキンソン病 / 蛋白質分解 / ATP13A2 / リソソーム / 凝集体 / PINK1 / Parkin / ubiquitin-proteasome Pathwa / AutoPhagy-lysosomal Pathway / stabilization / loss-of-function effects / ER |
研究概要 |
パーキンソン病はレビー小体と呼ばれる凝集体形成を病理学的特徴とし、中脳黒質のドーパミン神経細胞の細胞死を引き起こす神経変性疾患である。病態としてタンパク分解系の関与が推定されてきており、タンパク質分解系の障害がドーパミン細胞の細胞死と凝集体形成へいかに影響を与えるかを明らかにすることは急務であるが未だ不明な点も多い。最近、いくつかの遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子が単離されているが、我々は国内で初めてpark9の家系を見出し報告した(Ning et. al. Neurology 2008)。Park9の患者は常染色体劣性の遺伝形式を呈し、若年発症のパーキンソニスムに錐体路障害、認知機能障害を合併する。我々はその原因遺伝子ATP13A2がコードするタンパク質に着目し、その局在やタンパク質の機能について検討した。ATP13A2タンパク質はリソソームに局在するが、今回見出したATP13A2の変異タンパク質は小胞体にとどまることが分かった。変異タンパク質は小胞体からリソソームに輸送されないことによりリソソームの機能異常ならびにタンパク分解異常をきたすことが推測された。さらに培養細胞にてATP13A2遺伝子を抑制することにより細胞死を誘発することが明らかとなった。また、それらの細胞を電子顕微鏡により観察すると多重の膜構造物が細胞質内に多数存在していた。この構造物はリソソーム蓄積症に見られる構造物に類似しているが、正体については今後の解析が必要である。今後park9ノックアウトマウスを作製し、さらに検討していく予定である。今年度の研究によりATP13A2はリソソームの機能に重要な分子であることが推測され、パーキンソン病の病態におけるタンパク分解異常の新たな機構が見出された。
|