研究課題/領域番号 |
19045004
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八尾 寛 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00144353)
|
研究分担者 |
高橋 哲郎 東邦大学, 薬学部, 教授 (90133769)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2008年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | チャネルロドプシン / クラミドモナス / 光センサー / ロドプシン / イオンチャネル / 活動スペクトル / チャネルキネティクス / 脱感作 / 分子生物学 / 光受容体 / 光生物学 / 遺伝子工学 / オーバーラップエクステンションPCR |
研究概要 |
単細胞緑藻類の一種クラミドモナスにおいては、チャネルロドプシン1(ChR1)と2(ChR2)の2種類の古細菌型ロドプシンが光を感知し、走行性や驚光性などの行動を制御している。これらは、分子的に高い相同性を有しており、ともに光によりゲートされるチャネルを形成していると考えられているが、いくつかの性質において異なっている。性質の違いが、分子構造のどのような違いに依存しているのかを検討した。また、イオンチャネル機能に関連している構造を同定した。前年度の研究において、ChR1、ChR2の第5膜貫通領域に、両者を区別する構造が示唆された。そこで、両者において異なる8個のアミノ酸残基を一つずつ置換した変異体を作製した。これらのプラスミドベクターをHEK293細胞にトランスフェクションし、発現細胞をVenusの蛍光で同定し、ホールセルパッチクランプ下に光電流を計測した。(1)ChR2の第5膜貫通領域をChR1の相同セグメントに置き換えることにより、光電流の性質は、以下のように変化した : (1)活性化スペクトルの長波長域シフト、(2)脱感作の減少、(3)オン・オフキネティクスの緩徐化。すなわち、第5膜貫通領域にChR1とChR2の光電流の性質を区別する構造が示唆された。また、ChR2のAsn187をChR1の相同残基であるチロシン(Tyr)に置換することにより、上記と同様の変化が認められた。この変異は可逆的であった。すなわち、Tyr226(ChR1)/Asn187(ChR2)が両者を区別する決定基であることが示唆された。(2)クラミドモナスおよびボルボックスの4種類のチャネルロドプシンを前核動物のロドプシンと区別する構造が第2-3膜貫通領域にある。ここの5つのグルタミン酸残基を一つずつアラニンまたはグルタミンに置換したChR2の変異体を作製した。Glu97を変異したものでは、光電流コンダクタンスが大きく減少したが、それ以外の性質に影響は認められなかった。すなわち、Glu97がチャネルのイオン透過に関運していることが示唆された。
|