研究課題/領域番号 |
19045016
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊村 明浩 京都大学, 医学研究科, 助教 (60362513)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2007年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | カルシウム / センサー / Klotho / 遠位尿細管 / ビタミンD / PTH / ゼタミンD |
研究概要 |
α-Klotho遺伝子欠損マウスの解析を通じて、次のことをあきらかにした。 脈絡膜や遠位尿細管では、細胞自体にカルシウム感知装置が備わっており、秒から分の単位でα-Klotho依存性に自律的Ca運搬を行う。Ca低下に際しては分単位でPTHが分泌されるが、この分泌にもα-Klothoは必要である。PTH自身の半減期は2分程度であり、骨からの吸収、尿細管からの再吸収を上昇させるが、近位尿細管に作用してビタミンD活性化酵素である1-α hydroxylaseの転写を促進する。そのため、ビタミンDが活性化され、時間から日の単位で、尿細管、骨、腸からのカルシウム動員を上昇させ、持続的なCa上昇を誘導する。しかしながら、ビタミンD持続的上昇は、やがて抑制されなければならない。実はそこにもα-Klothoが関っていることが証明されつつある。Urakawaらの報告に依れば、α-KlothoはFGF23と共同で1-α hydroxylaseの転写抑制に必要である。(Urakawa, 2006)この分子メカニズムは詳細には不明であるが、Klothoは日単位で上昇した1-α hydroxylaseの抑制にも関与することになり、負のフィードバックシステムを構成していることになる。すなわち、α-Klothoはカルシウム恒常性の鍵分子であり、central regulatorであるという概念に到達した。変異マウスの発見から10年を経過して、謎の分子であったα-Klothoの役割が解明され、カルシウム恒常性問題がα-Klothoを中心とした統一的な理解として提示できたと考えている。以上を、α-Klotho関連疾患の発見を含めて、周辺事実の解析を数誌に発表した。
|