研究課題/領域番号 |
19204033
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東京工業大学 (2008-2009) 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所 (2007) |
研究代表者 |
藤澤 利正 東京工業大学, 極低温物性研究センター, 教授 (20212186)
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研究分担者 |
熊田 倫雄 日本電信電話株式会社, NTT物性科学基礎研究所・量子固体物性研究グループ, 研究主任 (30393771)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)
2009年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2008年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2007年度: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
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キーワード | 物性実験 / 半導体物性 / メゾスコピック系 / 量子ドット / 低温物性 |
研究概要 |
本研究は、半導体量子構造における電子状態と表面弾性波(SAW)フォノンとの相互作用を研究し、電子状態を観測するスペクトロスコピー技術の確立や、電子格子相互作用の人為的制御を目指すものである。SAWのみならず、量子ホール領域で試料端を伝搬するエッジマグネトプラズモン(EMP)や、印加した高周波電界など様々な時間依存ポテンシャルによる効果を視野に入れ、二次元量子ホール系と零次元量子ドット系という代表的な量子構造での研究を進めている。今年度は、試作したSAWキャビティの評価、SAW伝搬のシミュレーションのほか、結合二重量子ドットの相関トンネリングの観測、EMP波束のスクリーニング効果、二層系量子ホール状態に関する成果を得た。主な内容は下記のとおりである。 1:結合二重量子ドットの電流ドラッグ効果:2つの二重量子ドット素子を流れる電流の相関に注目し、非常に大きな電流ドラッグ効果が得られることを示した。空間的に離れた2つの電子が同時にトンネルする2種類のコトンネリングを利用して、正または負の相関をもつドラッグ電流を得ることが出来る。その電流値の比は30%に達し、電流ミラー素子などへの応用が期待される。 2:EMP伝搬速度のメカニズム:我々は、量子ホールエッジ状態を伝搬するEMPの群速度がゲート電圧に依存することを見いだし、可変遅延制御素子として働くことを示してきた。そのメカニズムを検討し、ゲート電極による遮蔽効果が主な原因であることを確認した。ゲート電圧の変化によって、エッジチャネルと金属電極との距離が遠くなると、遮蔽効果が薄れ速度が上昇すると考えられる。このことは、複数のエッジチャネルに速度差が生じることを示唆しており、発展性が見込まれる。
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