研究課題/領域番号 |
19209059
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
須田 英明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00114760)
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研究分担者 |
海老原 新 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60251534)
三浦 宏之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40199956)
岡田 大蔵 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80323690)
高橋 英和 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (90175430)
二階堂 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00251538)
石村 瞳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (20451916)
吉岡 隆知 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60323698)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
44,980千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 10,380千円)
2010年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2009年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2008年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2007年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
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キーワード | 破折 / 歯根破折 / 接着再植 / 光男性解析 / 有限要素解析 / OCT / 歯科用CT / 歯内療法学 / 垂直性歯根破折 / ファイバーポスト / 接着性レジン系根管充填材料 / 歯内療法 |
研究概要 |
本研究においては、多分野における多角的見地より、垂直性歯根破折に関する研究を行い、以下に示す成果が得られた。 歯内治療学では、Optical Coherence Tomography(OCT)を用いた垂直性歯根破折の診断について検討を行った。ヒト抜去歯歯根の破折をOCTあるいは実体顕微鏡、目視で診断したところ、OCTによる検出能力は目視よりも優れていた。OCTは根表から内部へ進展している破折線の広がりや、根表に達していない内部からの破折線を評価できる可能性があると考えられた。さらに接着性を有するシーラーが破折を防止するかどうかについても検討した。In vitroで接着性シーラーを用いて根管充填した歯に荷重をかけたところ歯根破折の進展を観察できた。接着性根管充填材を用いても歯根破折の進展が抑制されないことが示唆された。 保存修復学では、垂直性歯根破折を生じた場合、抜歯した後、接着材を用いて破折片を張り合わせて再植する「接着再植法」が試みられている。本研究では、接着再植法を行う際の接着材の選択とその長期接着耐久性への影響について検討した。接着材として、コンポジットレジンコアに使用されるボンディング材や、MMA系レジンセメントを用いた。ヒト歯根象牙質を歯軸方向に半切して、垂直性歯根破折モデルを作製し、破折片を接着材を用いて張り合わせた後、一定期間(1日、1か月、6か月、1年)、水中浸積した。その後、微小引張り接着試験を行って接着耐久性を評価した。その結果、接着材の選択が接着耐久性に及ぼす影響について明らかにすることができた。 歯科補綴学では、種々のレジンコアとクラウンにおける歯冠修復時の歯根象牙質に負荷される応力分布状態を抜去歯を用いた模型実験、有限要素解析、光弾性法を用いて解析を行った。その結果、支台歯根部の応力を緩和させる上で築造体と補綴物の組み合わせが極めて重要であることが明らかとなり、弾性係数が高い築造体の場合には弾性係数の高い補綴物を、弾性係数が低い築造体の場合には弾性係数の低い補綴物の組み合わせを用いることにより,応力集中を緩和することが明らかとなった。 歯科理工学では、根管充填用ポイントとしてガラス繊維で強化したレジンポイントを試作したところ、根尖孔を大きく拡大した群で破折強度が向上していた。実験的に生じさせた垂直性歯根破折歯の破折線の経時的変化を観察したところ、接着性を有するシーラーの有用性が示唆された。歯根根管内から荷重を加えて歯根破折を生じさせる実験系を考案し、根管充填材料の影響を検討したが、影響は明らかではなかった。垂直性歯根破折を少なくすると期待されているファイバーポストが根管内光重合型コンポジットレジンの硬化に及ぼす影響を検討したところ、製品による違い明らかとなった。
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