研究課題/領域番号 |
19256003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
内分泌学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山下 俊一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30200679)
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研究分担者 |
大津留 晶 長崎大学, 大学病院, 准教授 (00233198)
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30295068)
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50284683)
光武 範吏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50404215)
難波 裕幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80237635)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
42,250千円 (直接経費: 32,500千円、間接経費: 9,750千円)
2009年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2008年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2007年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
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キーワード | チェルノブイリ / 小児甲状腺がん / 分子疫学調査 / がん組織バンク / 癌基礎研究 / がん基礎研究 / 放射線誘発がん / 甲状腺がん / 遺伝子多型 / 国際共同研究 |
研究概要 |
チェルノブイリ原発事故後激増した小児甲状腺がんの成因と長期健康影響を明らかにする研究目的で、すでに確立した海外拠点との学術交流による分子疫学調査を計画的に推進することができた。特にWHOやNCRP、EUなど欧米の放射線安全防護に係わる国際プログラムに積極的に参画し、低線量被ばくのリスク評価・管理について交流実績を挙げた。旧ソ連3ヶ国(ベラルーシ、ウクライナ、ロシア)における放射能汚染地域の住民データ、生体試料の収集から遺伝子抽出活動を継続し、放射線誘発甲状腺がん疾患関連遺伝子群の探索を行い、候補遺伝子のSNPs多型を解析した。その結果、DNA損傷修復酵素、がん抑制遺伝子群のSNPsの交洛関係を見出した。同時にChernobyl Tissue Bankという国際共同研究体制の運営に継続参画し、放射線誘発甲状腺がんの潜伏期や被ばく時年齢、病理組織像などの違いを詳細に検討し、臨床像の特徴についての解明を試みた。その結果、放射線被ばくによる甲状腺癌は非被ばくの散発性甲状腺がんと比較してもその予後や再発率に大差なく、通常の診断治療指針の遵守による生命予後の良さを明らかにすることができた。網羅的遺伝子解析の途中結果では疾患感受性遺伝子SNPs候補を見出している。 上記研究成果は国内外の学会で報告すると同時に、WHOなどの低線量被ばく安全ガイドラインへの取組に保健医療行政上からも貢献している。放射線の外部被ばくによる発がんリスクだけではなく、放射性ヨウ素類の選択的甲状腺内部被ばくにより乳幼児・小児期被ばくのリスクが明らかにされ、今後の原発事故対策や放射線安全防護基準策定の基盤データの整備につながり社会的波及意義が大きいと期待される。
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