配分額 *注記 |
20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
2009年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2008年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2007年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
細胞周期の過程において,染色体が正確に複製分配され,安定に次世代細胞に受け継がれて行くことは,生物にとって最も基本的な性質である。染色体分配システムを正確にコントロールすることは,発生や個体の維持,生命の維持の礎となっている。体細胞に生じた染色体分配システム異常ががんや老化の原因となると予想される。染色体分配の異常は結果として,倍数体や異数体などの染色体構成の異常を導く。分配に関わる多くの遺伝子の突然変異も,倍数体や異数体を生じる。異数性を誘導する化学物質の一部は,塩基変化を伴う突然変異は誘発しないのに,マウスやラットにがんを誘発する。これらの物質のいくつかについて,その作用標的はG2/M境界での細胞周期の進行を調節する機構であることまたその過程では,MAPKとATM/ATRのどちらかの経路を活性化してシグナルが伝達されることを明らかにした。これらの過程にはDNA損傷は全く関与しない。ヒト培養細胞でも分裂酵母の場合でも係わる経路は基本的に同じであり,真核生物で共通の機構が働いていることが明らかとなった。本研究は更に,発がんや老化の機構について新しいモデルの提案につながった。
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