研究課題/領域番号 |
19320094
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
史学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安冨 歩 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20239768)
|
研究分担者 |
若林 正丈 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (60114716)
金 早雪 信州大学, 経済学部, 教授 (20186307)
松重 充浩 日本大学, 文理学部, 教授 (00275380)
深尾 葉子 大阪外国語大学, 外国語学部, 准教授 (20193815)
長崎 暢子 龍谷大学, 国際関係学部, 教授 (70012979)
|
連携研究者 |
長崎 暢子 龍谷大学, アフラシア平和構築センター, フェロー (70012979)
福井 康太 大阪大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (00302282)
若林 正丈 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60114716)
金 早雪 信州大学, 経済学部, 教授 (20186307)
鄭 雅英 立命館大学, 経営学部, 准教授 (90434703)
三谷 博 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50114666)
北田 暁大 東京大学, 大学院・情報学環, 准教授 (10313066)
深尾 葉子 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (20193815)
久末 亮一 政策研究大学院, 大学, 研究助手 (60422383)
本條 晴一郎 東京大学, 東洋文化研究所, 特任研究員 (50506748)
與那覇 潤 愛知県立大学, 文学部, 准教授 (50468237)
千葉 泉 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (20217243)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
20,280千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 4,680千円)
2008年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2007年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
|
キーワード | 分析心理学 / ハラスメント / 共生進化 / コムニス / 蓋 / 憑依 / 呪縛 / 脱植民地化 / 魂 / 無縁 / 内モンゴル / 中国 / ブータン / 香港 / 自己欺瞞 / 無意識 / 創発 / 論語 / ガンディー / 自由 / サイバネティックス |
研究概要 |
「魂」という学問で取り扱うことを忌避されてきた概念に、正当な地位を与えることができた。それは人間の創発を支える暗黙の次元に属する身体の作動であり、本来的に解明しえぬ(する必要のない) ものである。学問はそれを喜びをもって受け入れ、尊重し、その作動を抑圧するものを解明し、除去する役割を果たせばよい。そのような学問は、抽象的空間で展開する論理や実証ではなく、「私」自身を含む具体的な歴史的時空のなかで展開される合理的思考である。このような生きるための思考を通じた「私」の成長のみが、学問的客観性を保証する。 この観点に立つことで我々は、日本とその周辺諸国におけるポスト・コロニアル状況の打破のためには、人々の魂の叫び声に耳を傾け、それを苦しませている「悪魔」を如何に打破するか、という方向で考えるべきであることを理解した。謝罪も反論も、魂に響くものでなければ、意味がなく、逆に魂に響くものであれば、戦争と直接の関係がなくても構わない。 たとえば四川大地震において日本の救助隊が「老百姓」の母子の遺体に捧げた黙祷や、「なでしこジャパン」がブーイングを繰り返す観衆に対して掲げた「ARIGATO 謝謝 CHINA」という横断幕などが、その例である。我々の協力者の大野のり子氏は、山西省の三光作戦の村に三年にわたって住み込み、老人のお葬式用の写真を撮ってあげる代わりに、当時の話の聞き取りをさせてもらうという活動を行い、それをまとめて『記憶にであう--中国黄土高原 紅棗(なつめ) がみのる村から』(未来社) という書物を出版したが、このような研究こそが、真に意味のある歴史学であるということになる。
|