研究課題/領域番号 |
19350035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
島田 茂 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究グループ長 (40357207)
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研究分担者 |
崔 隆基 独立行政法人産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 研究員 (40392633)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
2009年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2008年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2007年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 合成化学 / 元素化学 / 有機化学 / ケイ素 / イリジウム / 触媒 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、新たに開発したピンサー型シリル配位子(PSiP配位子)を導入したイリジウム錯体によるアンモニアのN-H結合切断反応について検討した。その結果、本錯体がアンモニアのN-H結合切断能力を有することを見出し、2種類のアミド型錯体の単離・構造解析に成功した。1方の錯体に関しては、さらに理論化学計算により詳細な解析を行った。また、同イリジウム錯体により、水のO-H結合切断反応も進行することを見出した。嵩高い置換基を持つPSiP配位子を導入したイリジウム錯体を用いた場合、反応は定量的に進行しイリジウム上にヒドリドおよびヒドロキソ配位子を持つ錯体を与えた。生成物の構造はNMRおよび単結晶X線構造解析により決定し、上述のアンモニアとの反応から生成したアミド型錯体に類似した構造を有することを明らかにした。一方、リン上の置換基がやや嵩の小さいものを用いた場合、同様にO-H結合切断反応が進行したが、生成物の構造は前記錯体にさらに水が1分子配位した構造を持ち、配位子の立体的大きさが生成物の構造に影響することが分かった。 また、同イリジウム錯体を触媒として用い、芳香族炭化水素のC-H結合切断を伴うホウ素化反応を検討した。ホウ素化剤としてジボロン化合物を用いると、120℃程度の温度でホウ素化反応が効率的に進行することを見出した。 本研究で新規に合成したPSiP配位子を有するジヒドリドイリジウム錯体は、ヒドリド配位子の^1H-NMRシグナルが+5ppm付近とこれまでの常識からは考えられないケミカルシフト値を示した。理論化学計算によりこの特異性発現の原因を検討し、PSiP配位子の構造とケイ素原子の存在が強く影響していることを明らかにした。
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