配分額 *注記 |
20,150千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 4,650千円)
2009年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2008年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2007年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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研究概要 |
NH_4SCNの分解ガスによる希土類酸化物の硫化を試み、La_2S_3とGd_2S_3において不純物炭素の大幅な低減を可能にした他、この硫化と真空加熱(アニール)との組み合わせにより、焼結体のκとρの最適化が可能であることを見出した。また、高酸素濃度のγ-PrGdS_3合成粉末を焼結すると、焼結中にα相からPr_5Gd_5S_<14>Oと推定されるβ相を経て微細なγ相に相変態し、結晶粒が微細化することを見出した。PrGdS_3の他にα,β,γに相変態するNd,Smとα,γに相変態するGdを組み合わせたNdGdS_3,SmGdS_3も用意し、それらの結晶粒微細化を確認するとともに、微細化した焼結体の熱電特性を評価した。アニールなしのNdGdS_3,SmGdS_3焼結体の結晶粒径は約40μmと30μm、アニールした焼結体のそれらは約6μmと5μmであった。PrGdS_3,NdGdS_3,SmGdS_3それぞれのゼーベック係数(S)、電気抵抗率(ρ)から出力因子(P=S^2/ρ)を求めたところ、アニールした合成粉末の焼結体はアニールなしの場合の焼結体に比べ、Sとρが減少し、結果としてPの増加を確認した。なかでも最もPの値が高いPrGdS_3について熱伝導率(κ)を測定し、無次元性能指数(ZT=S^2T/ρκ)を求めた。アニールした場合、Pの増加と併せて焼結体のκが減少し、その結果ZTが増加した。さらに、立方晶Th_3P_4型の希土類硫化物には稀なP型半導体であるEuGd_2S_4のGdサイトの一部を価数揺動体であるSmやTbで置換したSmEuGdS_4およびEuGdTbS_4の合成を試みた。クエン酸錯体重合法によりオキシカーボネートを合成し、続くCS_2ガス硫化によりそれぞれの単相合成を可能にした。さらに、高温域の熱電特性の測定から、Sm置換に対するTb置換の優位性を確認した。
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