配分額 *注記 |
19,240千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 4,440千円)
2010年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2009年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2008年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2007年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
|
研究概要 |
N2H4を基材とする耐低温推進薬の検討を行った.燃料電池システムとの組み合わせを考慮して水素,窒素,酸素原子のみで構成される化合物を用い,N2H4の凝固点を下げるために適切な化合物の選定を行った.検討の結果,硝酸塩類は排除され,アンモニアとヒドロキシルアミン(HA)水溶液が候補となった.HA水溶液は市場で比較的安全に取り扱われる物質であり,濃度管理さえ注意すれば基本的には問題はない.HAを混和したN2H4溶液の安全性はこれから詳細に評価する必要がある.凝固点の評価および着火特性から,HA混合割合は30%が上限であることが分かった.当該組成の低温側での反応性は,2液の混和方式や液同士の接触条件によって変化するため,試験用スラスタによる燃焼特性評価においては,噴射器の設計が作動特性の鍵を握ると考えられる.本検討の結果から,N2H4にHA水溶液を30%混和した組成が非凍結型液体推進剤の燃料の最有力候補として選定された.低温燃焼試験を実施し,インジェクタ噴射特性が液温によって影響を受けるものの,噴射条件を適正化することにより着火遅れ時間が短縮され,パルス燃焼が実現可能であることを示した.推進性能は低温条件で251sであった.燃焼試験の結果、凝固点を降下させた燃料で推進力を得る見込みがえられたことを受け、この燃料を使用した発電試験を試みた。使用した燃料は、N2H4にHAを混合して凝固点を-40℃以下に調整した燃料であり、これをNTO系の酸化剤と反応させて燃料電池発電を行った。良好な発電性能が確認できており、当該推進薬の燃料電池への適用可能性の高さが示された。
|