研究課題
基盤研究(B)
本研究では、慢性疼痛下におけるopioid 精神依存不形成の分子機構ならびに持続する末梢からの疼痛刺激により引き起こされる脳高次機能の変化について明らかにすることを目的として、脳機能変化の可視化を試み、疼痛刺激に応じて活性化する脳部位の検討を行った。申請者は、functional magnetic resonance imaging (fMRI) を用いて blood oxygenation level dependent (BOLD) 法に従い、脊髄 PKCγ の活性化による神経障害性疼痛様刺激および炎症性疼痛刺激による脳機能変化を可視化することに成功した。また、持続的な痛み刺激により、腹側被蓋野において内因性 μ-opioid 受容体リガンドである β-endorphin が持続的に遊離した結果、μ-opioid 受容体の機能低下、さらにはそれに続く dopamine 神経の活性低下が引き起こされていることが明らかとなった。こうした変化が、慢性疼痛下におけるopioid 精神依存不形成機構の一因である可能性が示唆された。
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