配分額 *注記 |
13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2008年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2007年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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研究概要 |
本研究では,現在広く臨床応用されているIFN-α/β製剤に関して問題となっている副作用の軽減を目指し,より効率の良い効果をもたらすIFN分子の改良を試み,とくに脳神経系の腫瘍であるグリオーマに対する検討を行うこと,さらにはこれを発展させて,脳神経系の領域におけるIFN biologyの解明にもせまることを目的として昨年度より実験を進めてきた.本研究においては,ヒトIL-2受容体α鎖の細胞内領域および膜貫通領域をヒトIFN-βに融合させたタンパク質をデザインすることで,IFN-βを細胞膜表面に固定し,周囲への分散を抑制することによってIFNの副作用を抑えることを目指した.しかしながら,この膜結合型IFNは,膜表面に発現されるよりも細胞外に分泌されてしまう割合が9割をしめるという問題が浮上し,本年度は,この問題点を解決すべく,効率よく細胞膜に局在する分子を設計しなおすことを進めていた.まず,ヒトIL-2受容体α鎖とヒトIFN-βとの間に(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)x3という配列のリンカーを挟んで両者を結合させたタンパク質をデザインしていたが,そのリンカー部分の長さを変えることで検討したところ,当初の15個のアミノ酸残基数よりも長い50個のアミノ酸残基数に変えたところ,膜表面に発現される割合は5割までに改善されることを見出した.しかしながらまだ5割は細胞外に分泌されてしまうため,更なる改善が必要と考えられた.本年度,開始から1か月半を経た現時点で,若手(S)の研究費が支給されることに決まった.そのため,本研究費はその重複規定の剃限に従い,この時点をもって本課題に対する研究費の支給が停止されることになる.若手研究費による新たに始まる研究は感染やがんに対する自然免疫応答をとくにIFN応答を誘導するパターン認識受容体を介するシグナル伝達を解明するものであり,これまで行ってきた基盤(B)による研究結果も生かし,さらに発展させた研究を展開させていきたいと考えている.
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