研究課題/領域番号 |
19390352
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前原 喜彦 九州大学, 医学研究院, 教授 (80165662)
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研究分担者 |
小西 晃造 九州大学, 医学研究院, 寄附講座教員 (90380641)
川中 博文 九州大学, 大学病院, 助教 (10363334)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2008年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2007年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | 肝硬 / NO / eNOS / Rho-kinase VEGF / 脾門脈外科学 / 類洞内皮細胞 / 肝星細胞 / Rho Kinase / AKT / nitric oxide / 門脈圧亢進症 / 肝硬変症 / Rho kinase / Akt |
研究概要 |
(1)硬変肝のeNOSシグナル改善による肝内微小循環障害の改善 肝硬変症においては、ETやAT-IIの発現が亢進し、さらに類洞内皮細胞からのNO分泌が低下しているため、肝星細胞の収縮が強まり、類洞血管抵抗が増大し、肝内微小循環が障害され、門脈圧亢進症をきたしている。肝硬変症における類洞内皮細胞のNO分泌障害は、AktによるeNOSのリン酸化障害であることがわかっているが、その機序は不明であった。そこで、類洞内皮細胞におけるAkt-eNOSリン酸化の障害にRho kinaseが関与しているのではないかと仮説をたて、検討した。肝硬変ラットにRho kinase阻害剤であるfasdil (1 or 2 mg/dl)を点滴静注すると門脈圧が約20%、肝内血管抵抗が約30%低下することがわかった。また、Rho kinase阻害剤を用いることで、肝内eNOSリン酸化およびeNOSとAktの結合が増加することも判明し、さらにRho kinaeとAktが直接結合することにより、Rho kinaseがAktとeNOSの結合を阻害し、eNOS酵素活性を傷害していることを証明した。 (2)肝再生におけるNitric oxideおよびVEGFの役割 肝再生に関して肝細胞再生および血管新生が重要である事が報告されている。そこで、肝再生時における血管新生因子VEGF および類洞血流維持に関与するNO を検討した。 (1)SDラット70%肝切モデルを使用。肝切後(POD1,3,7)に、肝組織血流・肝重量増加率・類洞面積割合・肝組織中VEGF,NOx について検討。(2)L-NAME(NO 合成阻害剤)を腹腔内投与、肝再生について同様な検討を行った。(1)70%肝切後、肝組織血流は一過性上昇後減少するがPOD3 に再度増加、肝重量増加率は経時的に増加。肝組織中VEGF・NOx はPOD3 でピークを示した。(2)L-NAME 投与群で肝重量増加率が非投与群に比しPOD3,7 で有意に低く、肝組織中NOx は抑制されており、肝組織血流は有意に減少、さらに、類洞面積の縮小も認められた。また、肝組織中VEGF も有意に低下していた。肝再生において、NO はVEGF のinductionを介して類洞血管新生ならびに血流維持に働くと考えられる。
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