研究課題
基盤研究(B)
【目的】本研究の目的は(1)膀胱洗浄液細胞診検体を用いた中心体複製異常検索による膀胱癌予後診断の可能性を探ること、(2)array-CGH法を用いたゲノム網羅的解析により中心体複製異常症例に特異的なゲノム変異を検索同定すること、(3)中心体複製異常とtaxane系抗癌剤感受性との関連を明らかにすることである。【対象、方法、結果】(1)ヒト筋層非浸潤性膀胱癌検体85例を用いた検討では中心体過剰複製は50例(59%)、腫瘍進展は15例(18%)に認められ、多変量解析にて腫瘍進展の唯一の独立予後予測因子(p=0.0098)であった。膀胱洗浄液を用いた検討では生検検体との一致率は95%であり、膀胱洗浄液検体をもちいて同複製異常を同定しうることが示唆された。(2)array-CGHによるゲノム変異検索では中心体過剰複製症例は非過剰複製症例より、有意にゲノムコピー数異常の総和、染色体不安定性が高く、特に5p15.2gain、20p12.2gain、2q37.3loss、8p22loss、17p12lossを多く認めた。(3)膀胱癌継代培養細胞株6株を用いた検討では中心体正常株2株はすべてpaclitaxelに対する感受性を認めたが、異常株4株中3株は抵抗株であった。【結論】膀胱癌における中心体複製異常は尿路上皮癌の分子生物学的biomarkerとなる可能性が示唆された。さらにtaxane系抗癌剤耐性克服への応用が期待された。
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