研究概要 |
自己組織化過程により生成されるヒトデの行動において, 学習による変化が見られるかどうか, また, どのような条件でそれが持続しやすいかについて調べるため, ヒトデ類における代表的な定型的行動である起き上がり行動の実験を行った. 起き上がり行動では, 適応的な変化が観察されなかったが, それは起き上がり行動が本質的な困難性を持っているためではないかと考えられた. そこで, このことをコンピュータシミュレーションによって検証するため, 起き上がり行動の際の腕運動を記述するモデルを構築し, それに基づいてシミュレーションを行った, その結果, 反復した起き上がり行動において個々の腕が運動の持続性を持っていても, 起き上がりの過程の複雑さのため同じ起き上がり方の再現は困難であることが示唆された.
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