研究概要 |
約5600 病院を網羅した往復はがきによる調査, 及び各地の病院の視察および意見交換により, 本来の目的の一つであった病院患者図書館の日本における状況が判明してきた。日本において病院患者図書館が拡大しつつあり, 現場の声として医療従事者や患者が強い興味を示す傾向がうかがわれた。また, 比較対象として老人ホームにおける読書環境の概況を明らかにした。さらに, 日本の病院患者図書館の可能性を考える上で, 既に普及段階にある世界の状況も調査し, イギリスのSt. Tomas'Hospital が完璧ともいえる患者図書室を設置していることが解り, NHS Direct やBBC Health, CILIP のHealth Library Group に問い合わせ中である。近年の患者意識の変革が, 病院患者図書館の位置づけにも影響し, 増加傾向に拍車をかけていた。公立図書館との連携や感染症に対する理解が未熟である点が課題となっていることがわかった。
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